建設業者に関係する建設業法等の法令に関する情報を紹介

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【建設業法令遵守ガイドライン】下請代金の支払~支払保留・支払遅延

令和2年10月の建設業法の改正に伴い「建設業法令遵守ガイドライン」も改訂されました。改訂された部分を中心に、建設業法令遵守のために注意すべき事項を見ていきます。

Case1.下請契約に基づく工事目的物が完成し、元請負人の検査及び元請負人への引渡が終了しているにもかかわらず、下請負人からの請求行為がないことを理由に、元請負人が下請負人に対し、法定期限を超えて下請代金を支払わなかった。
Case2.工事全体が終了したにもかかわらず、元請負人が他の工事現場まで保留金を持ち越した。
Case3.元請負人が注文者から請負代金の出来形部分に対する支払を受けたにもかかわらず、下請負人に対して、元請負人が支払を受けた金額の出来形に対する割合に相応する下請代金を、支払を受けた日から1月以内に支払わなかった。

Case1.及びCase2.については、建設業法第24条の3及び第24条の6に違反するおそれがあります。Case3.は建設業法第24条の3に違反するおそれがあります。

下請代金の支払
第二十四条の三 元請負人は、請負代金の出来形部分に対する支払又は工事完成後における支払を受けたときは、当該支払の対象となつた建設工事を施工した下請負人に対して、当該元請負人が支払を受けた金額の出来形に対する割合及び当該下請負人が施工した出来形部分に相応する下請代金を、当該支払を受けた日から一月以内で、かつ、できる限り短い期間内に支払わなければならない。
(以下、省略)

特定建設業者の下請代金の支払期日等
第二十四条の六 特定建設業者が注文者となつた下請契約(下請契約における請負人が特定建設業者又は資本金額が政令で定める金額以上の法人であるものを除く。以下この条において同じ。)における下請代金の支払期日は、第二十四条の四第二項の申出の日(同項ただし書の場合にあつては、その一定の日。以下この条において同じ。)から起算して五十日を経過する日以前において、かつ、できる限り短い期間内において定められなければならない。
(以下、省略)

【支払いルール①】
建設業法24条の3は、工事の出来形部分に対する支払を受けたときや工事完成後の支払を受けたときの、下請負人に対する支払ルールを定めています。
出来形部分に対する支払に関しては、出来形の割合とその割合のうち下請負人が施工した部分の割合から支払金額を算出します。
1つ目の支払いルールは「支払を受けた日から1月以内、かつ、できる限り短い期間内」ということです。

【支払いルール②】
建設業法第24条の6は、元請負人が特定建設業者であって下請業者が一般建設業者かつ法人であれば資本金額が4,000万円未満の建設業者のときの、下請負人に対する支払ルールを定めています。
2つ目の支払いルールは、(上記の場合に該当するとき)「工事の請負代金の支払の有無に関わらず、下請業者が引渡の申し出を行った日から50日以内、かつ、できる限り短い期間内」ということです。

元請業者が特定建設業者のときには・・・
元請負人が特定建設業者のときには、支払いルール①及び②を遵守しなければなりません。つまり、支払はいずれかの早い日付で行う必要があります。

《特定建設業者の代金支払いフロー》
中部地方整備局「建設業法に基づく適正な施工の確保に向けて(令和2年10月改訂)より

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