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建設工事請負契約における電子契約の技術的基準の見直し

2020年10月1日に施行された建設業法施行規則で、建設工事請負契約における電子契約の技術的基準が見直されました。

条文の確認

(建設工事の請負契約に係る情報通信の技術を利用する方法)
第十三条の四 法第十九条第三項の国土交通省令で定める措置は、次に掲げる措置とする。
一 電子情報処理組織を使用する措置のうちイ又はロに掲げるもの
イ 建設工事の請負契約の当事者の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。以下同じ。)と当該契約の相手方の使用に係る電子計算機とを接続する電気通信回線を通じて送信し、受信者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する措置
ロ 建設工事の請負契約の当事者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された法第十九条第一項に掲げる事項又は請負契約の内容で同項に掲げる事項に該当するものの変更の内容(以下「契約事項等」という。)を電気通信回線を通じて当該契約の相手方の閲覧に供し、当該契約の相手方の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに当該契約事項等を記録する措置
二 磁気ディスク等をもつて調製するファイルに契約事項等を記録したものを交付する措置
2 前項に掲げる措置は、次に掲げる技術的基準に適合するものでなければならない。
一 当該契約の相手方がファイルへの記録を出力することによる書面を作成することができるものであること。
二 ファイルに記録された契約事項等について、改変が行われていないかどうかを確認することができる措置を講じていること。
三 当該契約の相手方が本人であることを確認することができる措置を講じていること。
3 第一項第一号の「電子情報処理組織」とは、建設工事の請負契約の当事者の使用に係る電子計算機と、当該契約の相手方の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。

電子契約の技術的基準とは?

建設業法施行規則第13条の4第2項に技術的基準が定められています。

一 当該契約の相手方がファイルへの記録を出力することによる書面を作成することができるものであること。
二 ファイルに記録された契約事項等について、改変が行われていないかどうかを確認することができる措置を講じていること。
三 当該契約の相手方が本人であることを確認することができる措置を講じていること。

一は「見読性」という要件です。
契約の相手方がファイルへの記録を出力することによる書面を作成することができるものであることが求められています。

二は「非改ざん性」という要件です。
ファイルに記録された契約事項等について、改変が行われていないかどうかを確認することができる措置を講じていることが求められています。

三は「本人性」という、2020年10月1日に追加された要件です。
契約の相手方が本人であることを確認するための措置を講じていることが求められています。

クラウド型電子契約サービスの取扱い

電子署名を利用する電子契約サービスの場合は、本人性は電子署名で担保されることになります。しかしながら、最近増加しているクラウド型の電子契約サービスでは、利用登録の方法によっては本人性が担保されないことがあるため、免許証の提示や二段階認証などで本人確認が求められることとなります。

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