今回から、全国の建設業許可申請の手引きを見ていきたいと思います。弊社の本社は愛知県にありお客様も同じエリアに集中しているため、手にする、目にする手引きというものが愛知県や中部地方整備局の手引きに偏ります。このブログを読んでいただいている方は全国にいらっしゃいますので、「私自身が全国的な視点を持とう」と思い、今回から全国の手引きを見ていくことにしました。
建設業許可の要件等は建設業法関連法令に規定されているため、全国を見ても違いはありませんが、要件確認資料の種類や要件や専門用語の説明の仕方等に違いがありますので、取り上げるのはそのような点になります。いろいろな手引きを見ることは皆様の建設業許可の更なる理解のため参考になると思いますのでご紹介させていただきます。
まず取り上げるのは、北海道知事許可申請の手引きになります。
1.特徴
北海道知事許可業者用の手引きは全体的に、とても分かりやすい手引きになっています。
特に、専門用語の説明・解説については1つ1つ説明がされているため、専門家でなくても理解できるようにとの配慮が見られます。
また、「許可区分等を変更する申請等の取扱い」として、様々な申請パターンを取り上げ注意点等の解説をしています。
その他、作成方法や確認資料等においては、独自のルールや特別なものは無く一般的であると思います。
申請に要する審査の期間(標準処理期間)は、北海道知事許可申請が概ね35日(休日は除く。)となっています。愛知県は概ね30日ですので、標準処理期間については許可行政庁ごとに異なるようです。
2.許可区分等を変更する申請等の取扱い
建設業許可を取得した後、事業拡大や工事の業種を変更等により、「許可を変えたい」というケースが多々あります。その際、どのような手続きが必要になるのかを把握することが重要になります。なぜなら、必要な手続きが変更届で良ければすぐ変更内容が反映されますが、申請を伴う場合は審査期間を要し空白の期間が生ずるため、変更内容での営業開始時期を把握することに関わります。
まず、①一般/特定の建設業許可を移行する場合です。これは、北海道の手引きにわかりやすくまとめられています。
このケースでは、般特新規や業種追加の申請となり、変更したい内容が反映されるまで時間がかかります。書類作成においては作成書類や作成方法が異なるため、般特新規申請なのか業種追加申請なのかを判断できるようにすることが必要です。
次は、②許可換え新規の場合です。許可換え新規とは、国土交通大臣の許可又は他都府県知事の許可から北海道知事の許可へ変更する申請になります。許可換え新規申請を行った場合は、「新規」の申請となり建設業許可番号が変わります。
最後に、③主たる営業所の所在地が他の振興局(申請窓口)へ移転する場合です。どの都道府県でも、知事許可業者はエリアごとに手続きの窓口が決められていると思います。その窓口が変わる場合の取扱いです。この場合、移転前の所在地を所管する振興局(窓口)に対し、変更届出書を提出します。そうすると振興局間(窓口間)で移管手続が行われます。
ただし地域によって、届出を出す際の取扱いが異なる場合がありますので、手続き前に窓口へ確認されることをお勧めします。


行政書士法人名南経営(愛知県名古屋市)の所属行政書士。建設業許可担当。高度な法的知識、行政との綿密な調整が求められる一般的に難易度の高いと言われる許認可申請の対応を得意としている。建設業者からの信頼も厚く、建設業者の顧問や、建設業者の社内研修も多数対応している。