「建設業許可事務ガイドライン」について取り上げています。
数回にわたり、建設業の業種について詳しく見ていきます。そして今回も「専門工事」を順番に見ていきます。
1.石工事とは
石工事とは、石材(石材に類似のコンクリートブロック及び擬石を含む。)の加工又は積方により工作物を築造し、又は工作物に石材を取付ける工事をいいます。イメージはしやすい工事ではありますが、似ている工事もあるので注意が必要です。
建設業事務ガイドラインにおいては、石工事ととび・土工・コンクリート工事の違いについて以下の考え方をしていますので、一部を抜粋します。
『とび・土工・コンクリート工事』における「コンクリートブロック据付け工事」及び『石工事』における「コンクリートブロック積み(張り)工事」間の区分の考え方は以下のとおりである。根固めブロック、消波ブロックの据付け等土木工事において規模の大きいコンクリートブロックの据付けを行う工事、プレキャストコンクリートの柱、梁等の部材の設置工事等が『とび・土工・コンクリート工事』における「コンリートブロック据付け工事」である。
建築物の内外装として擬石等をはり付ける工事や法面処理、又は擁壁としてコンクリートブロックを積み、又ははり付ける工事等が『石工事』における「コンクリートブロック積み(張り)工事」である。
そのため、工事の名称が「コンクリートブロック工事」のように簡易的な記載となっている場合には、工事の種類の判断が難しいため作業内容によって判断が必要になります。
2.屋根工事とは
屋根工事とは、瓦、スレート、金属薄板等により屋根をふく工事をいいます。「屋根をふく工事」が屋根工事であって、屋根に関する工事がすべて屋根工事になるわけではありません。最近では、屋根に太陽光パネルを設置している住宅をよく目にします。太陽光パネルの設置工事については、注意が必要です。
建設業許可事務ガイドラインの中から、屋根工事における太陽光パネル設置工事についての考え方を一部抜粋します。
屋根一体型の太陽光パネル設置工事は『屋根工事』に該当する。太陽光発電設備の設置工事は『電気工事』に該当し、太陽光パネルを屋根に設置する場合は、屋根等の止水処理を行う工事が含まれる。
3.電気工事とは
電気工事とは、発電設備、変電設備、送配電設備、構内電気設備等を設置する工事をいいます。とてもイメージしやすい工事の種類です。
ただ、2.屋根工事でも取り上げたように、他の工事と間違えやすい工事もあるため注意が必要です。
建設業許可事務ガイドラインの中からもう1つ、電気工事についての考え方を紹介しておきます。機械器具設置工事との区別です。
『機械器具設置工事』には広くすべての機械器具類の設置に関する工事が含まれるため、機械器具の種類によっては『電気工事』、『管工事』、『電気通信工事』、『消防施設工事』等と重複するものもあるが、これらについては原則として『電気工事』等それぞれの専門の工事の方に区分するものとし、これらいずれにも該当しない機械器具あるいは複合的な機械器具の設置が『機械器具設置工事』に該当する。
また、電気工事の例示として具体的にあげられているものの中に「構内電気設備(非常用電気設備を含む。)」があります。「非常用」電気設備とあると、消防施設工事と間違えやすいですが、あくまでも電気設備の工事のため電気工事に分類されます。
行政書士法人名南経営は、建設業許可手続きだけでなく、スポットでの相談対応、従業員・協力会社向けの建設業法令研修や、模擬立入検査、コンプライアンス体制構築コンサルティングまで対応しております。MicrosoftTeamsを利用したWEB面談も可能です。お気軽にご相談ください。

行政書士法人名南経営(愛知県名古屋市)の所属行政書士。建設業者向けの研修や行政の立入検査への対応、建設業者のM&Aに伴う建設業法・建設業許可デューデリジェンスなど、建設業者のコンプライアンス指導・支援業務を得意としている。