今回は建設業許可が無くても請負うことができる工事について、復習も兼ねてみていきます。
1.建設業許可が無くても請け負える工事①軽微な建設工事
建設業法第3条において、建設業を営もうとするものは許可を受けなければならないと規定されています。原則は許可が必要となりますが、許可が無くても良いケースが例外として定められています。それが「軽微な建設工事」に該当する場合です。
建設業法施行令第1条の2
法第三条第一項ただし書の政令で定める軽微な建設工事は、工事一件の請負代金の額が五百万円(当該建設工事が建築一式工事である場合にあつては、千五百万円)に満たない工事又は建築一式工事のうち延べ面積が百五十平方メートルに満たない木造住宅を建設する工事とする。
2 前項の請負代金の額は、同一の建設業を営む者が工事の完成を二以上の契約に分割して請け負うときは、各契約の請負代金の額の合計額とする。ただし、正当な理由に基いて契約を分割したときは、この限りでない。
3 注文者が材料を提供する場合においては、その市場価格又は市場価格及び運送賃を当該請負契約の請負代金の額に加えたものを第一項の請負代金の額とする。
この条文はとても重要ですので、改めて確認をしておいてください。(請負金額の考え方の部分です。)ここには記載がありませんが、請負金額は消費税込みの金額であることも忘れないようにしましょう。
2.建設業許可が無くても請け負える工事②附帯工事
建設業許可が無くても請け負える工事は、軽微な建設工事に該当する工事ともう一つが附帯工事に該当する工事です。附帯工事とは、「主たる建設工事を施工するために必要を生じた他の従たる建設工事又は主たる建設工事の施工により必要を生じた他の従たる建設工事であって、それ自体が独立の使用目的に供されるものではないもの」をいいます。もう少し言い換えると、1件の工事の中にいくつもの専門工事が含まれており、その専門工事が主従の関係がある場合、主の工事にくっついている従たる工事が附帯工事となります。以下がイメージ図です。
附帯工事の明確な基準や判断方法はありません。建設工事の注文者の利便や建設工事の請負契約の慣行等を基準として、工事を一連又は一体として施工することが必要又は相当と認められるか否かを総合的に検討して、判断をする必要があります。判断に迷う場合には、許可行政庁等にご相談されることをお勧めします。
ちなみに、附帯工事はその工事単体で請負うことができないのでご注意ください。(単体で請負う場合、それは1件の専門工事となります。)附帯工事は、あくまでも主となる工事が存在し、その工事にくっついてくる工事のことです。これは1件の工事として請け負える軽微な建設工事とは考え方が異なりますので、ご注意ください。


行政書士法人名南経営(愛知県名古屋市)の所属行政書士。建設業許可担当。高度な法的知識、行政との綿密な調整が求められる一般的に難易度の高いと言われる許認可申請の対応を得意としている。建設業者からの信頼も厚く、建設業者の顧問や、建設業者の社内研修も多数対応している。