今回から数回にわたり、「手続き」の実務に関係する部分を取り上げていきます。初回は、まず建設業許可の申請の種類について取り上げます。
1.「申請」とは
建設業法とは直接関係ありませんが、「申請」という言葉の意味を取り上げておきたいと思います。
(大辞泉より)申請
希望や要望事項を願い出ること。特に、国や公共の機関などに対して認可・許可その他一定の行為を求めること。
「一定の行為を求める」とある通り、申請を行わなければできない行為があり、その行為をするために申請をします。
建設業許可の申請とは、建設業を営むため(=行為)に国等に願い出ているという事です。そのため、申請には要件が伴い、国等による申請の審査が行われることになっています。
2.建設業許可の申請の種類
建設業許可の申請には、以下の5種類があります。
①新規
②許可換え新規
③般・特新規
④業種追加
⑤更新
①新規とは、どの許可行政庁からも受けていない者が、許可を申請することです。
②許可換え新規とは、現在有効な許可を受けている許可行政庁以外の許可行政庁に対し、新たに許可を申請することです。多いケースとしては、知事許可業者が大臣許可へ切り換えるケースです。この場合、建設業許可が途切れることなく許可は切り換わります。また、許可換え新規申請は許可が切り換わるのと同時に建設業許可番号が変わるのでご注意ください。
③般・特新規とは、一般建設業の許可のみを受けている建設業者が新たに特定建設業の許可を申請すること、又は特定建設業の許可のみを受けている建設業者が新たに一般建設業の許可を申請することです。
④業種追加とは、一般建設業の許可を受けている建設業者が他の建設業(業種)について一般建設業の許可を申請すること、又は特定建設業の許可を受けている建設業者が他の建設業(業種)について特定建設業の許可を申請することです。③般・特新規と混同しないように注意してください。
⑤更新とは、既に受けている建設業の許可を、そのままの要件で続けて申請することです。更新の申請をしないと、今ある建設業許可は有効期間を過ぎると消滅します。(消滅した後は、再び新規の申請が必要になります。)
③般・特新規、④業種追加、⑤更新の申請は、組み合わせて同時に行うことも可能です。ただし同時に行える期限が設けられていますので、組み合わせて行いたい場合には事前に申請を行える期限をご確認いただくことをお勧めします。


行政書士法人名南経営(愛知県名古屋市)の所属行政書士。建設業許可担当。高度な法的知識、行政との綿密な調整が求められる一般的に難易度の高いと言われる許認可申請の対応を得意としている。建設業者からの信頼も厚く、建設業者の顧問や、建設業者の社内研修も多数対応している。