令和2年10月22日から令和2年11月30日の間に、建設業者18,000業者を対象に実施された令和2年度下請取引等実態調査に関して、指導対象調査項目について、不適正な取引に該当する回答を行った建設業者10,251業者に対し、指導票が発送されたとのことです。
実施の概要
■調査対象業者:18,000業者(うち回収業者数:13,479業者、回収率74.9%)
■調査方法:郵送による書面調査(令和2年10月22日~令和2年11月30日)
■調査対象期間:令和元年7月1日~令和2年6月30日における取引
■調査内容:
・下請負人との見積方法の状況
・下請契約の締結方法の状況
・下請代金の支払期間・方法の状況
・発注者による元請負人へのしわ寄せの状況
・元請負人による下請負人へのしわ寄せの状況
・消費税の転嫁に関する状況
・技能労働者への賃金支払状況 など
※元請負人と1次下請との間の取引のみではなく、2次と3次、3次と4次等の取引も含む
なお「令和2年度下請取引等実態調査」については、こちらの記事にも詳しく書いております→令和2年度下請取引等実態調査が始まりました。
調査結果は次のとおりです。
調査結果
国土交通省「建設業取引の改善に向けて約1万業者に指導票を発送~令和2年度 下請取引等実態調査の結果~」(https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo13_hh_000001_00037.html)より抜粋しています。
建設工事を下請負人に発注したことのある建設業者(11,499業者)が回答すべき調査項目について、指導対象となる28の調査項目に対し、全て適正回答(適正な取引を行っていると回答)だった適正回答業者率は10.9%と昨年度(9.0%)から1.9%増加しました。また、28の調査項目に対し、25の項目で適正回答率が増加しました。
しかしながら、未だ多数の建設業者が適正な取引を行っていない状況は従来同様で、建設業の取引において重要な項目でも適正回答率は低い状況です。特に「知事・一般」建設業者で顕著な傾向にあり、中でも「契約方法」においては約6割が不適正な契約方法を行っており、その内18.8%が未だ「メモ又は口頭による契約」を行っている状況でした。
この調査の結果により、建設業法に基づく指導を行う必要があると認められた建設業者に対しては指導票を送付され、是正措置を講じるよう指導が行われたとのことです。さらに、必要に応じて、許可行政庁において立入検査等が実施されるとのことで、十分注意しなければなりません。
行政書士法人名南経営では、立入検査の対応のサポート(同席や報告書の作成支援)や、模擬立入検査による建設業法令遵守状況のチェックと改善のアドバイス、従業員研修等のサポートもしておりますので、お困りのことがあればお気軽にご相談ください。
行政書士法人名南経営は、建設業許可手続きだけでなく、スポットでの相談対応、従業員・協力会社向けの建設業法令研修や、模擬立入検査、コンプライアンス体制構築コンサルティングまで対応しております。MicrosoftTeamsを利用したWEB面談も可能です。お気軽にご相談ください。

行政書士法人名南経営(愛知県名古屋市)の所属行政書士。建設業許可担当。建設業者のコンプライアンス指導・支援業務を得意としており、建設業者の社内研修はもちろんのこと、建設業者の安全協力会や、各地の行政書士会からも依頼を受け、建設業法に関する研修を行っている。