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令和2年度公共工事の施工体制に関する全国一斉点検の結果

国土交通省では、平成14年度から、毎年直轄工事を対象に「公共工事の施工体制の全国一斉点検」を実施しています。令和2年度は、10月~12月初旬にかけて、稼働している601件の直轄工事を対象に抜き打ちで点検が実施されました。対象となった工事は、請負金額が3,500万円以上の工事です。

点検結果

点検を実施した結果は概ね良好だったようですが、建設業法違反に該当する工事が2件あり、受注者に改善指導が実施されたようです。
建設業法違反に関する点検項目は次の3点とのことです。
・施工体制台帳の作成において、一部の下請負人の施工体制台帳が記載されていない。
・施工体制台帳に記載すべき内容や添付する書類、再下請負通知書の不備。
・施工体系図の掲示が不適切。

点検項目別の点検概要

以下は、国土交通省の「―点検結果の概要―」からの引用です。

① 点検(1)主任技術者・監理技術者に関する点検
○監理技術者資格者証の提示、JV の場合の配置技術者の資格要件など監理技術者や主任技術者、専門技術者の設置において、明らかな建設業法違反で許可部局への通知が必要な工事は該当がなかった。
② 点検(2)下請負人との契約や支払いに関する点検
○下請負人の建設業許可においては、点検した全ての対象工事で適正であった。
○当初契約時における明確な工事内容での下請契約に関する点検においては、指導事項が確認された工事が 46 件あった。
このうち、指導事項があった点検項目は、一部の下請契約で契約書などに、契約工種、工事数量が記載されているが、建設機械費又は材料費が含まれているかどうかが明記されていない工事が 33 件(5.5%)、一部の下請契約で契約工種・工事数量が明記されていない部分がある工事が 6 件(1.0%)、全て又は一部の下請契約で契約工種・工事数量・機械費や材料費が含まれているか否かも明記されていない工事が、7 件(1.2%)であった。
○変更契約時における明確な工事内容での下請契約に関する点検においては、追加工事や内容変更があった場合、契約書等により相互に署名又は記名押印している変更契約書が確認できない工事が、5 件(1.7%)あった。
○下請代金の適正な支払いについては、概ね下請契約書に請負代金の支払い方法が記載され、その内訳が労務費相当分を現金払いとし、残りが手形期間120日以内となっていたが、指導事項に該当する不備が 9 件(1.5%)あった。
○一括下請負(丸投げ)の禁止については、点検した全ての工事で元請または下請が果たすべき役割が果たされていることが確認できた。
③ 点検(3)施工体制台帳に関する点検
○施工体制台帳については、点検した全ての工事で作成されていた。
○施工体制台帳が作成されているが、記載内容や添付書類に不備があり、建設業法違反に該当する工事が2件あった。
【違反の内容】
建設業法違反に該当する2工事においては、以下の違反が確認された。
・施工体制台帳に記載するべき内容の不足。
(一部の下請負人、社会保険の加入状況、下請工事の名称・内容・工期)
・施工体制台帳に添付すべき書類の不足
(発注者との契約書の写し、元請負人の配置技術者が監理技術者資格を有することを証する書面、監理技術者の雇用関係を証明できるものの写し)
・施工体系図が進行中の工事にあっていない
○建設業許可票の掲示については、点検した全ての工事において、発注者から直接請負った工事であり、元請負人の建設業許可の掲示が確認できた。
④ 点検(4)下請負人への点検
○下請負人の主任技術者の資格では、点検した全ての工事で適正な資格を保有した技術者が専任されていた。
○契約に関する元請負人と下請負人の取引の適正化では、下請負人が把握されている工事では全ての工事で注文者が自己の取引上地位を不当に利用していないことが確認できた。
○資機材の取引に関する契約においても、建設業法違反に該当する工事はなかった。

点検項目

点検項目の詳細は次のとおりです。
点検(1)
1. 監理技術者等の配置に関する点検
(1)元請の監理技術者資格(建設業法第 26 条、同条第4項等)
(2)「元請がJVの場合の幹事会社以外の配置技術者」の資格
(3)「元請がJVの場合の幹事会社以外の主任技術者または監理技術者」の専任
(4)専門技術者の設置(建設業法第 26 条の 2)
点検(2)
2. 下請契約に関する点検
(1)下請負人の建設業許可(建設業法第 3 条)
(2)下請契約(当初契約及び変更契約)(建設業法第 18,19,20 条)
(3)下請代金の適切な支払い(建設業法第 19 条)
(4)一括下請負(丸投げ)の禁止
点検(3)
3. 施工体制台帳の備え付けに関する点検
(1)施工体制の的確な把握(建設業法第 24 条の 8)
(2)施工体制台帳の作成範囲(建設業法第 24 条の 8)
(3)施工体制台帳の記載内容と添付書類(建設業法第 24 条の 8)
(4)施工体制台帳の記載事項及び再下請通知を行う事項の追加
(5)再下請通知書(建設業法第 24 条の 8)
(6)施工体系図の掲示(建設業法第 24 条の 8)
(7)建設業許可票の掲示(建設業法第 40 条)
点検(4)
4. 下請負人の点検
(1)下請負人の主任技術者の資格(建設業法第 26 条同第 3 項)
(2)下請負人の主任技術者の専任(特定専門工事)(建設業法第 26 条の 2)
(3)下請負人の主任技術者の専任(特定専門工事以外)(建設業法第 26 条同第 3 項)
(4)取引の適正化(契約)(建設業法第 18 条,19 条の 3)
(5)取引の適正化(資機材)(建設業法第 19 条の 4)

国土交通省では、施工体制の点検要領等を定め、各工事を担当する監督職員によって日頃から施工体制の点検が行われています。そのため、直轄工事においての違反はほとんど見つからないのではないかと思います。民間工事においては、発注者による点検というものがないため、受注者である建設業者が自ら建設業法を遵守に努める必要があります。建設業法令遵守に少しでも不安をお感じの方は、行政書士法人名南経営で建設業法令遵守状況をチェックするというサービスをご提供しておりますので、お気軽にご相談ください。


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