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3月14日に中央建設業審議会の総会が開催されました

令和4年3月14日に、国土交通省の中央建設業審議会の総会が開催されました。議事の内容について簡単に見ていきたいと思います。

そもそも中央建設業審議会とは?

■中央建設業審議会とは?
建設業法第34条に基づき、昭和24年8月20日に国土交通省に設置された審議会です。
「建設業法」、「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律」等に基づき、以下の事項について審議を行っています。
(1)経営事項審査の項目と基準について(建設業法第27条の23第3項)
(2)建設工事の標準請負契約約款について(建設業法第34条第2項)
(3)工期に関する基準について(建設業法第34条第2項)
(4)公共工事の入札・契約に関する「適正化指針」について(公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律第17条第5項)

議事内容

3月14日に開催された総会の議事の内容は次のとおりです。

    1. 最近の建設業を巡る状況について【報告】
    2. 「適正な施工確保のための技術者制度検討会」の検討状況について【報告】
    3. 建設工事標準請負契約約款の改正について【審議】
    4. JV準則・適正化指針の改正について(復旧・復興 JV の位置付け等)【審議】
    5. 経営事項審査の改正について【審議】

議事のうち審議事項は「3.建設工事標準請負契約約款の改正について」「4.JV準則・適正化指針の改正について(復旧・復興JVの位置付け等)」「5.経営事項審査の改正について」の3つでした。

審議事項の概要

建設工事標準請負契約約款の改正について
    1. 災害復旧工事中の費用負担における課題と改正の方向性
      【現状】
      公共約款においては、不可抗力により損害が発生した場合、発注者が損害額のうち請負代金額の1/100を超える額を負担(=受注者は請負代金額の1/100を負担)する旨が規定されており、2次災害等のリスクの高い応急・災害復旧工事中に被災し損害が発生した場合も例外ではない。
      → 災害が頻発化・激甚化する近年において、災害復旧を円滑に進めるためには、受注者負担の軽減により、災害復旧工事を受注しやすい環境を整えることが必要不可欠。
      【改正の方向性】
      公共約款第30条を改正し、「災害復旧工事」中における不可抗力による損害発生について、1/100の受注者負担を求めないこととしてはどうか。
    2. 保険証券・保証証書の電子化について
      【現状】
      ・公共約款において、受注者が、契約保証として履行保証保険契約を締結したとき及び前払金保証契約を
      締結したときは、保険証券・保証証書を発注者に「寄託」することとされている。
      ・「寄託」は民法上の概念であり、「有体物」(この場合、書面)を対象にしている。実際に、受注者は
      保証証書(紙)を発注者に提出している。
      【改正の方向性】
      ・公共約款を改正し、一定の電磁的措置を講じた場合(例えば、以下のスキーム)も「寄託」したものと
      みなすこととしてはどうか。
      ・保証証書等の電子化により、受注者から発注者へ保証証書等を郵送又は持参する必要がなくなるととも
      に、保証機関は紙の保証証書等を発行する必要がなくなるなど、手続きの効率化に寄与する。
    3. 建設発生土の搬出先等の明確化について
      【現状】
      ・静岡県熱海市で大雨に伴って盛土が崩落し、土石流が発生。甚大な人的・物的被害(令和3年7月)
      ・盛土の総点検において、点検が必要な盛土は約3.6万箇所
      【改正の方向性】
      公共工事における指定利用等の原則実施を要請すること等を踏まえ、発注者が建設発生土の搬出先を指定した場合に、当該建設発生土の「搬出先」を記載した書類を契約書に添付することを求めるなど、公共約款及び民間約款(甲)において必要な対応を検討。
JV準則・適正化指針の改正について
    1. 復旧・復興JV(復旧・復興建設工事共同企業体)
      【現状】
      ・近年、災害が激甚化・頻発化。大規模災害の被災地域では、平常時に比べて建設工事需要が突発的に著しく大きくなる。
      ・被災地域内の企業単体では施工体制を確保できなくなり、不調・不落の発生率の上昇等により迅速な復旧・復興がなされないおそれ。
      【改正の方向性】
      復旧・復興JVをJV準則へ位置付け、被災地域における施工体制を確保
    2. 公共工事の入札及び契約の適正化を図るための措置に関する指針 (適正化指針) の変更
      【変更案】
      ◆ 災害復旧等における入札・契約
      大規模災害の被災地域における施工体制の確保を図るため、復旧・復興建設工事共同企業体について追記
      災害復旧工事等の円滑な実施を図るため、他の発注者との連携について追記
      ◆ 適正な予定価格の設定・ダンピング対策
      ダンピング対策の観点として、公共工事を実施する者の適正な利潤の確保について追記
      適正な予定価格の設定を図るため、適正な積算を行うべきものに建設発生土等の運搬・処分等に要する費用を追記
      ダンピング対策の徹底を図るため、低入札価格調査基準等を適正な水準で設定することについて追記
      ◆ 適切な施工の確保
      工事に必要な情報の関係者間での把握・共有の推進のため、設計図書における条件明示について追記
      適切な設計変更の実施や変更手続の円滑化のため、設計変更ガイドラインの策定等について追記
      技能労働者の育成及び確保に資する労働環境の整備を図るため、国・発注者によるCCUS活用促進の取組について追記
経営事項審査の改正について
    1. 担い手の育成確保
      【現状】
      ・建設工事の担い手の育成・確保の重要性は、元請下請を問わず、建設業界における共通認識。
      ・現行経審では、自社で雇用する技術者及び技能者の育成・確保の状況は評価しているが、下請負人に雇用される者の処遇改善に係る取組に、特段の加点措置はない。
      ・建設業の働き方改革を推進する上で、ワークライフバランス(WLB)の視点も重要であるが、この点についても評価項目は存在しない。
      【改正の方向性】
      ・CCUSは、下請負人に雇用される者も含め、広く技能労働者の処遇改善のための取組であり、その取組状況を経営事項審査において適切に評価すべきではないか。
      ・WLBに関する取組についても、担い手の育成・確保に資するものであり、評価すべきではないか。
    2. 災害対応力の強化
      【現状】
      地域防災への備えの観点から、災害時の復旧対応に使用され、かつ定期検査により保有・稼働確認ができる代表的な6種類の建設機械の保有状況を評価しているところであるが、この他に実際の現場で活躍している建設機械も存在するとの声。
      【改正の方向性】
      建設業者の地域防災に関する対応力をより積極的かつきめ細かく評価するため、加点対象とする建設機械の種類の拡大を検討してはどうか。
    3. 環境への配慮
      【現状】
      環境への配慮に関する取組としては、ISO14001の認証について評価しているが、脱炭素に向けた動きが加速している中、建設企業においても、脱炭素を含めて、環境問題への取組が改めて求められているところ。
      【改正の方向性】
      脱炭素を含め、環境問題への取組を適切に評価する観点から、ISO14001に限らず、環境への配慮に関する認証等を取得している場合には加点評価してはどうか。

◆その他社会性(W)の改正案
(出典:国土交通省中央建設業審議会(令和4年3月14日開催)配布資料「(資料5)経営事項審査の改正について」https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001470540.pdf)

◆改正のスケジュール
今後、必要な告示改正のパブリックコメントを経て、令和4年4月6日に改正公布。令和5年1月の施行が想定されています。

まとめ

建設業者様には、主に「建設工事標準請負契約約款の改正」「経営事項審査の改正」が影響することになるかと思います。特に経営事項審査の改正については、審査項目が変更となりますので、加点を希望される建設業者様は、改正を待たず、今から準備をしておかれることをおすすめいたします。

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