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NEC(日本電気株式会社)建設業許可の自主廃業

また建設業許可の自主廃業のニュースが飛び込んできました。先日、アイディホームが宅建業免許と建設業許可を自主廃業したことが記憶に新しいですが、今回はNEC(日本電気株式会社)です。

アイディホームの建設業許可の自主廃業についてはこちらの記事をご覧ください。
»「アイディホーム建設業許可の自主廃業」

なぜ「自主廃業」した?

以下、NECの発表です。HPから引用しています。

建設業法施行令第3条に規定する使用人(以下「令3条の使用人」)である当社社員1名が、欠格要件(建設業法第8条第1項8号)に該当していたものの当社への報告を怠っていました。当社は本年9月1日に本事実を確認し、9月2日及び同5日に許可行政庁に建設業許可の欠格要件に該当していることを報告いたしました。
その後、当社内での検討の結果、今回の事案の重大性を踏まえ、建設業許可を自主的に廃業することとし、許可行政庁に建設業許可の廃業届を本日提出し受理されました。
(出典:日本電気株式会社HP「建設業許可の自主廃業および再申請について」https://www.idhome.co.jp/wp/wp-content/uploads/2022/09/20220914_info.pdf

アイディホームの事例では、「元役員」が欠格要件に該当したとのことでしたが、NECは「建設業法施行令第3条に規定する使用人」である社員であったとのことです。

欠格要件についてはこちらの記事をご覧ください。
»「建設業法第8条「欠格要件」解説」

「建設業法施行令第3条に規定する使用人」とは?

「建設業法施行令第3条に規定する使用人」とは、建設工事の請負契約の締結及びその履行に当たって一定の権限を有すると判断される者、つまり支配人や支店・営業所(従たる営業所)の代表者である者が該当します。建設業者が営業所を設置する際には、かならず「建設業法施行令第3条に規定する使用人」を置かなければなりません。

建設業法施行令第3条に規定する使用人は、当該営業所において締結される請負契約について総合的に管理することや、原則として、当該営業所において休日その他勤務を要しない日を除き一定の計画のもとに毎日所定の時間中、その職務に従事(テレワーク(営業所等勤務を要する場所以外の場所で、ICTの活用により、営業所等で職務に従事している場合と同等の職務を遂行でき、かつ、当該所定の時間中において常時連絡を取ることが可能な環境下においてその職務に従事することをいう。以下同じ。)を行う場合を含む。)していることが求められています。

どんな違反や罪を犯した?

NECの発表によると、当該社員は建設業法第8条第1項8号に該当していたとのことです。該当の条文を見てみましょう。

第八条 国土交通大臣又は都道府県知事は、許可を受けようとする者が次の各号のいずれか(許可の更新を受けようとする者にあつては、第一号又は第七号から第十四号までのいずれか)に該当するとき、又は許可申請書若しくはその添付書類中に重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、許可をしてはならない。
(中略)
八 この法律、建設工事の施工若しくは建設工事に従事する労働者の使用に関する法令の規定で政令で定めるもの若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)の規定(同法第三十二条の三第七項及び第三十二条の十一第一項の規定を除く。)に違反したことにより、又は刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百四条、第二百六条、第二百八条、第二百八条の二、第二百二十二条若しくは第二百四十七条の罪若しくは暴力行為等処罰に関する法律(大正十五年法律第六十号)の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない者
(中略)
十一 法人でその役員等又は政令で定める使用人のうちに、第一号から第四号まで又は第六号から第九号までのいずれかに該当する者(第二号に該当する者についてはその者が第二十九条の規定により許可を取り消される以前から、第三号又は第四号に該当する者についてはその者が第十二条第五号に該当する旨の同条の規定による届出がされる以前から、第六号に該当する者についてはその者が第二十九条の四の規定により営業を禁止される以前から、建設業者である当該法人の役員等又は政令で定める使用人であつた者を除く。)のあるもの
(以下省略)

つまり、

  1. 「この法律(建設業法)」に違反した
  2. 「建設工事の施工若しくは建設工事に従事する労働者の使用に関する法令の規定で政令で定めるもの」※に違反した
  3. 「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律」に違反した
  4. 「刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百四条、第二百六条、第二百八条、第二百八条の二、第二百二十二条若しくは第二百四十七条の罪」※を犯した
  5. 「暴力行為等処罰に関する法律(大正十五年法律第六十号)の罪」を犯した

ことにより、罰金の刑に処せられたということになります。NECは当該社員が具体的にどのような違反や罪を犯したか発表していませんが、これらのいずれかに該当していたということになります。

※2.「建設工事の施工若しくは建設工事に従事する労働者の使用に関する法令の規定で政令で定めるもの」とは、具体的には次の法令の規定のことをいいます。
・建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第九条第一項又は第十項前段(これらの規定を同法第八十八条第一項から第三項まで又は第九十条第三項において準用する場合を含む。)の規定による特定行政庁又は建築監視員の命令に違反した者に係る同法第九十八条第一項(第一号に係る部分に限る。)
・宅地造成等規制法(昭和三十六年法律第百九十一号)第十四条第二項、第三項又は第四項前段の規定による都道府県知事の命令に違反した者に係る同法第二十六条
・都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第八十一条第一項の規定による国土交通大臣、都道府県知事又は市町村長の命令に違反した者に係る同法第九十一条
・景観法(平成十六年法律第百十号)第六十四条第一項の規定による市町村長の命令に違反した者に係る同法第百一条
・労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第五条の規定に違反した者に係る同法第百十七条(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号。以下「労働者派遣法」という。)第四十四条第一項(建設労働者の雇用の改善等に関する法律(昭和五十一年法律第三十三号。以下「建設労働法」という。)第四十四条の規定により適用される場合を含む。第七条の三第三号において同じ。)の規定により適用される場合を含む。)又は労働基準法第六条の規定に違反した者に係る同法第百十八条第一項
・職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第四十四条の規定に違反した者に係る同法第六十四条
・労働者派遣法第四条第一項の規定に違反した者に係る労働者派遣法第五十九条

※4.「刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百四条、第二百六条、第二百八条、第二百八条の二、第二百二十二条若しくは第二百四十七条の罪」とは、具体的には次の罪のことをいいます。
第204条:傷害罪
第206条:現場助勢罪
第208条:暴行罪
第208条の2:凶器準備集合罪・凶器準備結集罪
第222条:脅迫罪
第247条:背任罪

役員だけではなく社員・従業員も注意が必要!

NECの事例では、社員の違反等により建設業許可の欠格事由に該当してしまった事例です。一社員が犯した違反や罪により、建設業許可が取り消されることとなります。役員だけでなく、社員・従業員に対しても、建設業法に関する定期的な教育・啓発活動の実施などが必要です。建設業許可を維持し、会社を存続させるためには、建設業法令の遵守だけでなく、日常から様々な法令を意識しなければならないことが分かる事例です。

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