2023年4月3日、株式会社大林組は、協力会社組織である大林組林友会連合会と共同で、協力会社の抱える経営課題の解決と、経営者、社員、若手技能者の確保・育成を支援することを目的として、「事業と技能のあとつぎ支援センター」を開設しました。同センターによる支援内容を詳しく見ていきたいと思います。
大林組によるプレスリリースはこちらをご覧ください。
»協力会社の経営課題の解決に向けて「事業と技能のあとつぎ支援センター」を開設
協力会社からの相談窓口の設置
センターに相談窓口を設置し、大林組協力会「林友会」の会員協力会社の経営上の課題に関する各種相談を電話や専用メールアドレスにて幅広く受け付けるとのことです。
■センターによる相談対応体制
(出典:株式会社大林組「協力会社の経営課題の解決に向けて「事業と技能のあとつぎ支援センター」を開設」)
相談内容に関しては、幅広く受け付けるようで、採用、教育、事業承継、ICT・DX活用などの専門的な相談に関しては、各専門コンサルタントと連携し、これら以外の相談についても、適宜、大林組の本社管理部門と連携して対応するとのことです。
<想定される相談内容>
採用:効果的な採用プロセスを教えて欲しい、自社の採用サイトを作成したい
教育:自社の教育体系を作成したい、社員に技能以外の研修を受けさせたい
事業承継:後継の経営者を探したい、後継者候補を育成したい
ICT・DX活用:業務効率化、セキュリティー対策に何を導入すればよいか
各種教育機会の提供
協力会社の経営者および社員(幹部、中堅、若手)を対象にした、階層別の集合教育や、動画などの教育コンテンツ(eラーニング)の配信を定期的に実施するとのことです。
もともと大林組林友会では、技術者・技能者に対する研修、勉強会などが実施されていると思いますが、センターでは、事業承継などの経営課題の解決に向けた教育コンテンツも重点的に実施されていくのだろうと思われます。
<集合教育の一例>
後継経営者研修(2021年度から定期的に実施)
若手社員育成研修(幹部候補社員対象)
現場コミュニケーション技術研修(中堅社員対象)
現場リーダー研修(若手社員対象)
まとめ
「どこに相談したらよいか分からない」「元請に相談することは憚られる」「専門家に依頼する金銭的な余裕がない」などの課題を抱えている企業も多いと思いますので、ゼネコンさんがこのような仕組みを作られるのは、協力会社さんにとって非常に良い取組みだと思います。他の元請企業さんでも同じような取組みが推進されることが期待されます。


行政書士法人名南経営(愛知県名古屋市)の所属行政書士。建設業許可担当。建設業者のコンプライアンス指導・支援業務を得意としており、建設業者の社内研修はもちろんのこと、建設業者の安全協力会や、各地の行政書士会からも依頼を受け、建設業法に関する研修を行っている。