建設業者に関係する建設業法等の法令に関する情報を紹介

  1. 条文解説
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建設業法第19条の3、第19条の4、第19条の6「不当な行為の禁止と勧告」解説

条文の確認

(不当に低い請負代金の禁止)
第十九条の三 注文者は、自己の取引上の地位を不当に利用して、その注文した建設工事を施工するために通常必要と認められる原価に満たない金額を請負代金の額とする請負契約を締結してはならない。
(不当な使用資材等の購入強制の禁止)
第十九条の四 注文者は、請負契約の締結後、自己の取引上の地位を不当に利用して、その注文した建設工事に使用する資材若しくは機械器具又はこれらの購入先を指定し、これらを請負人に購入させて、その利益を害してはならない。
(発注者に対する勧告)
第十九条の六 建設業者と請負契約を締結した発注者(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)第二条第一項に規定する事業者に該当するものを除く。)が前二条の規定に違反した場合において、特に必要があると認めるときは、当該建設業者の許可をした国土交通大臣又は都道府県知事は、当該発注者に対して必要な勧告をすることができる。

不当に低い請負代金での契約締結は禁止

注文者が優位な地位に立ち、その立場を利用して、低価格の契約を締結することを禁止しています。
特に、下請業者は経済的にも自己の立場も弱くなるケースが多々あります(注文者である元請業者から低価格で受注するように強いられるケースがあります。)。低価格を強いられることにより、工程を省略し工期を短くしたり、手抜き工事をしたり、それが労働災害等につながる恐れもあります。建設業の目的である「建設工事の適正な施工確保」ができなくなります。そのため、注文者が取引上の地位を「不当に利用」し、請負代金の額が「通常必要と認められる原価」を満たしていない契約の締結を禁止しています。

不当な資材等の購入強制は禁止

第19条の3と考え方は同じです。注文者が立場を利用して、工事の資材や機械器具等を指定し(購入先を指定することも含める。)購入させることを禁止しています。購入強制については、「契約を締結したあと」の行為に限定されていることにご注意ください。

違反した場合には勧告

第19条の3および第19条の4に違反した注文者は、勧告を受ける可能性があります。というのも、違反があれば直ちに勧告がなされるわけではなく、「特に必要があると認めるとき」と規定されています。違反行為が原因となり、公衆災害や労働災害が起こるおそれが大きいと判断され場合など、何らかの措置をとる必要性がある場合には、違反をした注文者に勧告がなされます。

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