昨年10月1日施行の改正建設業法で、経営業務の管理責任者(経管)の要件が緩和されました(緩和といえるほどのものか、正直微妙なところですが・・・。)。
経営業務の管理責任者の要件緩和の詳しい情報については、こちらの記事をご覧ください→「建設業に係る経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を有する者(経営業務の管理責任者等)とは?」
緩和によって新しくできた基準
建設業法の改正によって、建設業法施行規則第7条第1号「ロ」という基準が新しくできました。
これは、常勤役員等のうち1人が次のいずれかに該当する者であって、かつ、財務管理の業務経験を有する者、労務管理の業務経験を有する者、業務運営の業務経験を有する者を、その常勤役員等を直接に補佐する者として置くことができれば、要件を満たすという基準です。
(1)建設業に関し、2年以上役員等としての経験を有し、かつ、5年以上役員等又は役員等に次ぐ職制上の地位にある者としての経験を有する者
(2)5年以上役員等としての経験を有し、かつ、建設業に関し、2年以上役員等としての経験を有する者
国土交通省では、改正建設業法によって新しくできたこの基準を活用した建設業者の数を調査したようで、5月27日付の建通新聞の一面に掲載されていましたので引用してご紹介します。
3月末時点で20業者が活用
改正建設業法で見直された経営業務管理責任者要件を活用した許可業者が、3月末現在で20業者いることが国土交通省の調べで分かった。見直し後初めて集計した。
20業者の内訳は大臣許可3件(一般建設業許可2件、特定建設業許可1件)と、知事許可17件(一般12件、特定10件)。都道府県別でみると、東京都知事許可が10件で最多を占めた。以下、兵庫県知事許可が2件、岩手、栃木、千葉、福岡、大分県知事許可が各1件となった。大臣許可は大阪、愛知、埼玉各1件の内訳。
(出典:建通新聞2021年5月27日)
ご参考までに、令和3年3月末現在の大臣許可業者数は10,267業者で、都道府県知事許可業者は463,685業者です。都道府県別の建設業許可業者数では、1位が東京都が43,428業者で、2位が大阪府の39,525業者です。
知事許可業者は母数が多いので、新しい基準を利用した許可業者数も、当然大臣許可よりも多くなるはずなのですが、その中でも東京都の数が圧倒的に多くて驚きました。活用に至った事情まで分かると今後に活かせると思いますので、そのあたりも知りたいところです。
行政書士法人名南経営では、経営業務の管理責任者に関する相談対応をしております。お困りの方は、お気軽にご連絡ください。建設業許可手続きだけでなく、スポットでの相談対応、従業員・協力会社向けの建設業法令研修や、模擬立入検査、コンプライアンス体制構築コンサルティングまで対応しております。MicrosoftTeamsを利用したWEB面談も可能です。お気軽にご相談ください。

行政書士法人名南経営(愛知県名古屋市)の所属行政書士。建設業許可担当。建設業者のコンプライアンス指導・支援業務を得意としており、建設業者の社内研修はもちろんのこと、建設業者の安全協力会や、各地の行政書士会からも依頼を受け、建設業法に関する研修を行っている。