国土交通省は、建設業法施行令の一部を改正する政令案について、令和4年10月12日よりパブリックコメント手続を開始しました。
特定建設業の許可、監理技術者の配置及び施工体制台帳の作成が必要となる下請契約の金額の下限の引き上げ、専任の主任技術者・監理技術者の配置が必要な建設工事の請負代金額の下限の引き上げといった緩和に注目です。
改正の背景
少子高齢化に伴う全産業的な労働力人口の減少が進む中、建設業においても、限りある人材の有効活用を図りつつ、将来にわたる中長期的な担い手の確保及び育成を図ることが急務となっている。このような状況を踏まえ、各種金額要件に近年の工事費の上昇を反映するとともに、若年層の確保、他産業からの入職促進等のため、主任技術者・監理技術者資格の1つである技術検定について、受検資格の見直し等を行う必要がある。
(出典:国土交通省「建設業法施行令の一部を改正する政令案について(概要)」)
改正の概要
⑴ 近年の工事費の上昇を踏まえた金額要件の引上げ
- 特定建設業の許可、監理技術者の配置及び施工体制台帳の作成を要する下請代金額
現行の4000万円(建築一式工事の場合は6000万円)から、4500万円(建築一式工事の場合は7000万円)に引き上げ - 主任技術者又は監理技術者の専任を要する請負代金額
現行の3500万円(建築一式工事の場合は7000 万円)から、4000万円(建築一式工事の場合は8000万円)に引き上げ - 下請負人の主任技術者の配置を不要とすることができる特定専門工事の下請代金額の上限
現行の3500万円から、4000万円に引き上げ
⑵ 技術検定の受検資格の見直し
⑶ 第一次検定の一部免除制度の創設
⑵の見直しに伴い、大学、高等専門学校、高等学校若しくは中等教育学校において国土交通大臣が定める学科を修めて卒業した者又は国土交通大臣がこれらの者と同等以上の知識を有するものと認定した者については、申請により、第一次検定の一部で国土交通大臣が定めるものを免除することができることとなる。
意見募集期間
令和4年10月12日から令和4年11月10日まで(必着)
今後のスケジュール
交付:令和4年11月下旬~12月
施行:「改正の概要」の⑴関係は令和5年1月1日、⑵⑶関係は令和6年4月1日
パブリックコメントについての詳しい情報はこちらをご覧ください。
»e-GOVパブリック・コメント「建設業法施行令の一部を改正する政令案に関する意見募集について」


行政書士法人名南経営(愛知県名古屋市)の所属行政書士。建設業許可担当。建設業者のコンプライアンス指導・支援業務を得意としており、建設業者の社内研修はもちろんのこと、建設業者の安全協力会や、各地の行政書士会からも依頼を受け、建設業法に関する研修を行っている。