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  1. 監理技術者制度運用マニュアル
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【監理技術者制度運用マニュアル】専任配置が必要な工事現場

令和2年10月の建設業法の改正に伴い「監理技術者制度運用マニュアル」も改正されました。改正された部分はもちろんのこと本マニュアルの内容を解説し、建設業法令遵守にお役立ていただきたいと思います。

1.「専任」が必要な工事とは

建設業法第26条第3項には、監理技術者等が工事現場に「専任」が求められるケースを明確に規定しています。

建設業法第二十六条
3 公共性のある施設若しくは工作物又は多数の者が利用する施設若しくは工作物に関する重要な建設工事で政令で定めるものについては、前二項の規定により置かなければならない主任技術者又は監理技術者は、工事現場ごとに、専任の者でなければならない。ただし、監理技術者にあつては、発注者から直接当該建設工事を請け負つた特定建設業者が、当該監理技術者の行うべき第二十六条の四第一項に規定する職務を補佐する者として、当該建設工事に関し第十五条第二号イ、ロ又はハに該当する者に準ずる者として政令で定める者を当該工事現場に専任で置くときは、この限りでない。

ポイントとなるのが、「公共性のある施設若しくは工作物又は多数の者が利用する施設若しくは工作物に関する重要な建設工事で政令で定めるもの」です。どういう工事が該当するのか、具体的には建設業法施行令第27条第1項に規定されています。

建設業法施行令第二十七条
第二十七条 法第二十六条第三項の政令で定める重要な建設工事は、次の各号のいずれかに該当する建設工事で工事一件の請負代金の額が三千五百万円(当該建設工事が建築一式工事である場合にあつては、七千万円)以上のものとする。
一 国又は地方公共団体が注文者である施設又は工作物に関する建設工事
二 第十五条第一号及び第三号に掲げる施設又は工作物に関する建設工事
三 次に掲げる施設又は工作物に関する建設工事
イ 石油パイプライン事業法(昭和四十七年法律第百五号)第五条第二項第二号に規定する事業用施設
ロ 電気通信事業法(昭和五十九年法律第八十六号)第二条第五号に規定する電気通信事業者(同法第九条第一号に規定する電気通信回線設備を設置するものに限る。)が同条第四号に規定する電気通信事業の用に供する施設
ハ 放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第二条第二十三号に規定する基幹放送事業者又は同条第二十四号に規定する基幹放送局提供事業者が同条第一号に規定する放送の用に供する施設(鉄骨造又は鉄筋コンクリート造の塔その他これに類する施設に限る。)
ニ 学校
ホ 図書館、美術館、博物館又は展示場
ヘ 社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)第二条第一項に規定する社会福祉事業の用に供する施設
ト 病院又は診療所
チ 火葬場、と畜場又は廃棄物処理施設
リ 熱供給事業法(昭和四十七年法律第八十八号)第二条第四項に規定する熱供給施設
ヌ 集会場又は公会堂
ル 市場又は百貨店
ヲ 事務所
ワ ホテル又は旅館
カ 共同住宅、寄宿舎又は下宿
ヨ 公衆浴場
タ 興行場又はダンスホール
レ 神社、寺院又は教会
ソ 工場、ドック又は倉庫
ツ 展望塔

これらすべてを覚えることは難しいので、以下の3点を押さえていただければ概ね問題無いと考えます。
監理技術者等の「専任」配置が必要な工事とは、

 1.請負代金が税込3,500万円(建築一式工事の場合は税込7,000万円)以上の工事
 2.公共工事に限定されず、民間工事も該当
 3.個人住宅や長屋を除くほとんどの建設工事が該当

これらに該当する工事の場合には、監理技術者等は専任で配置する義務があります。
監理技術者等の専任配置は、元請・下請の立場は関係ありません。上記に該当する工事であれば、下請業者であっても専任配置が必要になりますのでご注意ください。

2.「専任」とは?

では、専任とはどのような状態をいうのでしょうか。
「専任とは、常駐が求められているわけではない。」ということは押さえておいてください。勘違いの多い点です。

専任とは、他の工事現場に係る職務を兼務せず、常時継続的に配置された工事現場に係る職務にのみ従事していることを意味しています。つまり、工事現場に常時継続的に滞在することを求めているわけではないため、常駐とは異なります。
技術面を磨くために研修や試験等に参加したり、休暇を取得することは、専任の監理技術者等であっても可能です。一般的に、合理的な理由で短期間工事現場を離れることは差し支えないとされています。

3.専任が必要な工事か、判断方法は?

例えば、住宅と事務所等を兼ねているような建物の建設工事は、専任が必要な工事かどうかどのように判断するのでしょうか。
個人住宅であれば、金額問わず専任配置が不要になります。しかし、事務所等の非居住建物であれば、金額によっては専任配置が必要となります。そのため、判断の方法が重要になります。

上記のようなケースでは、以下の2点を満たす場合には住宅とみなして専任配置を求めないとしています。

 1.事務所・病院等の非居住部分(併用部分)の床面積が延べ面積の1/2以下であること
 2.請負代金の総額を、居住部分と非居住部分の面積比に応じて按分して求めた非居住部分に相当する請負金額が、専任配置の必要な金額未満であること

非居住部分であるかどうかの判断は、建築確認済証で行います。また面積比については、建築確認済証等に添付される設計図書で求められます。

4.本日のまとめ

専任配置ができていないとして処分を受けている建設業者もいます。また、弊社が関与している建設業者様でも、専任配置が必要な工事で専任配置ができていないケースを見かけることがあります。
例え「下請でしか工事現場に入らない」業者であっても、専任配置のルール適用があるのでしっかりと覚えておいていただきたいと思います。

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