令和2年10月の建設業法の改正に伴い「建設業者の不正行為等に対する監督処分の基準(監督処分基準)」が改正されました。改正された部分はもちろんのこと、この基準の内容を解説し、建設業法令遵守にお役立ていただきたいと思います。
本日は、不正行為等を重ねて行った場合や営業停止処分中にはできないことについて取り上げます。
1.営業停止処分を受けた者が再び営業停止処分を受けるケース
営業停止処分を受けた建設業者が、当該営業停止の期間の満了後3年を経過するまでの間に再び同種の不正行為等を行ったというケースです。このケースで当該不正行為等に対する営業停止処分を行うときは、情状により、処分の加重を行われることがあります。
2.指示処分を受けた者が指示に従わないケース
建設業者が指示の内容を実行しないケースや指示処分を受けた日から3年を経過するまでの間に指示に違反して再び類似の不正行為等を行ったというケース(例えば、技術者の専任義務違反により指示処分を受けた建設業者が再び専任義務違反を犯すなどのケースです。)には、情状を重くみて、営業停止処分が行われます。
1.2.いずれのケースでも、3年以内に処分が行われると、加重されることとなります。
3.営業停止処分により停止を命ぜられる行為
営業停止処分が行われると建設業者は以下の行為を行うことができません。主に、新たに請負契約を締結することです。処分前に締結していた請負契約であっても、追加工事などで変更契約を締結することは新たに請負契約を締結することと同じものと考え、営業停止処分中は行うことができません。
「建設業者の不正行為等に対する監督処分の基準」別表より
ただし、営業停止処分中であっても行うことができる行為もあります。主に、許可や入札参加資格を維持する行為や、すでに請け負っていた工事の施工などです。
「建設業者の不正行為等に対する監督処分の基準」別表より
4.まとめ
建設業に限らず、不正行為等が重なれば処分等が重くなるのは当然です。同じ不正行為等を何度も繰り返すようなことが生じないように、不正行為等を見つけた時には社内で事実を共有し必要に応じて社内養育を行い法令遵守に取り組んでいただきたいと思います。
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行政書士法人名南経営(愛知県名古屋市)の所属行政書士。建設業許可担当。高度な法的知識、行政との綿密な調整が求められる一般的に難易度の高いと言われる許認可申請の対応を得意としている。建設業者からの信頼も厚く、建設業者の顧問や、建設業者の社内研修も多数対応している。