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  1. 監督処分の基準
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【監督処分の基準】具体的な基準Part4

令和2年10月の建設業法の改正に伴い「建設業者の不正行為等に対する監督処分の基準(監督処分基準)」が改正されました。改正された部分はもちろんのこと、この基準の内容を解説し、建設業法令遵守にお役立ていただきたいと思います。

本日は、監督処分の基準の具体的な考え方について取り上げます。具体的な考え方については、細かく分類されていますので、複数回に分けて解説します。今回は、弊社が模擬立入検査等において発見することが多い違反事例を取り上げます。

1.一括下請負等の場合

建設業者が建設業法第22条の規定(一括下請負の禁止)に違反した場合には、15日以上の営業停止処分が行われます。ただし、元請負人が施工管理等について契約を誠実に履行しない場合等、建設工事を他の建設業者から一括して請け負った建設業者に酌量すべき事情があるときは、営業停止の期間について減軽されることがあります。

また、一括下請負とは異なりますが、建設業者が建設業法第26条の3第8項の規定に違反した場合には、15日以上の営業停止処分が行われます。建設業法第26条の3第8項の規定とは、令和2年10月の建設業法改正に関わるものです。現場の主任技術者の配置を省略した建設業者がさらに下請契約をすることを禁止した規定になります。

第二十二条 建設業者は、その請け負つた建設工事を、いかなる方法をもつてするかを問わず、一括して他人に請け負わせてはならない。
2 建設業を営む者は、建設業者から当該建設業者の請け負つた建設工事を一括して請け負つてはならない。
(以下、省略)

第二十六条の三 特定専門工事の元請負人及び下請負人(建設業者である下請負人に限る。以下この条において同じ。)は、その合意により、当該元請負人が当該特定専門工事につき第二十六条第一項の規定により置かなければならない主任技術者が、その行うべき次条第一項に規定する職務と併せて、当該下請負人がその下請負に係る建設工事につき第二十六条第一項の規定により置かなければならないこととされる主任技術者の行うべき次条第一項に規定する職務を行うこととすることができる。この場合において、当該下請負人は、第二十六条第一項の規定にかかわらず、その下請負に係る建設工事につき主任技術者を置くことを要しない。
(中略)
8 第一項の下請負人は、その下請負に係る建設工事を他人に請け負わせてはならない。

2.主任技術者等の変更の場合

主任技術者又は監理技術者が工事の施工の管理について著しく不適当であり、かつ、その変更が公益上必要であると認められる場合には、直ちに当該技術者の変更の勧告を書面で行われます。さらに必要に応じて、指示処分が行われます。指示処分に従わない場合には、機動的に営業停止処分が行われます。この場合において、営業停止の期間は、7日以上となっています。

3.無許可業者等との下請契約の場合

建設業者が、建設業法第3条第1項の規定に違反して同項の許可を受けないで建設業を営む者と下請契約を締結した(無許可業者との下請契約)場合には、7日以上の営業停止処分が行われます。下請発注をする工事の業種と照らし合わせ、適切な許可を持っている建設業者と下請契約を締結しなければなりません。

建設業者が、特定建設業者以外の建設業を営む者と下請代金の額が建設業法第3条第1項第2号の政令で定める金額以上となる下請契約を締結した(特定建設業の許可無く規定以上の下請契約を締結)場合には、当該建設業者及び当該特定建設業者以外の建設業を営む者で一般建設業者であるものに対して、7日以上の営業停止処分が行われます。過去の処分事例を見ていても、この違反はよく目にします。変更契約等により下請契約の請負金額が増額するような場合には注意が必要です。

4.まとめ

今回紹介した事例のうち1.及び3.に該当する違反行為は、弊社の模擬立入検査やDDにおいても、過去の処分事例を見ても、多く見受けられます。法令遵守のためには建設業法の規定内容を十分理解するだけでなく、的確に建設工事の業種判断ができるようにしておくことも必要です。

 

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