今回の相談事例は、発注者から建設業法違反の指摘を受けてしまい、外部の専門家の力を借りて改善をしていきたいというご相談です。
相談者様の情報
会社名 | K社様 |
建設業許可 | 国土交通大臣許可 一般 |
本社 | 神奈川県横浜市 |
売上高 | ― |
依頼内容
K社様は、発注者から「建設業法に準拠した契約書が用意されていない」との指摘を受けてしまったため、書式整備及び改善のコンサルティングをしてほしいという依頼内容でした。弊社のコンサルティングサービスのページを見てご連絡をいただきました。
弊社の建設業法令遵守コンサルティングはこちらのページをご覧ください。
»建設業法令遵守コンサルティング
その発注者様は、以前建設業許可をお持ちだったようで、建設業法に関する知識をお持ちであったとのこと。詳しくお聞きすると、その発注者様は、建設業許可を持っていたときには、建設業法令遵守が思うように出来なかったようで、建設業許可を廃業し、建設工事を請け負うことをやめたそうです。このように建設業の経験もお持ちで、コンプライアンス意識の高い発注者もいらっしゃるということを知ることができた事例です。
K社様は、サポートしてくれるコンサルタントをお探しだったようで、当初は弊社と別のコンサル会社に問合せをしていたそうです。両社の提案を比較して、建設業法に精通している弊社にご依頼をいただいたとのことでした。結果的に、4か月間で各種書式を整備するというコンサルティング契約を締結させていただきました。
書式整備コンサルティングの進め方
まず、コンサルティング開始前に、発注者様に対して、改善の手順書を提出する必要があり、弊社のコンサルティング内容をまとめ、手順書を作成するところから支援をさせていただきました。
4か月間のコンサルティングの進め方としては、大きく2つのフェーズで「現状の把握」「作成・整備」という手順で進めさせていただきました。具体的には次のような流れで進めました。
現状の把握
①コンサルティング内容の説明
②現状の法令遵守状況および各種書式の確認
③契約プロセス・ワークフローの確認
作成・整備
①各種書式の作成
②契約フローチャートの作成
③書式・フローチャートの説明
完成した書式類
今回K社様に納品をさせていただいた書式は次の書式です。
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- 個別契約フローチャート
- 建設工事請負契約書
- 注文書・注文請書(発注者・元請間)
- 建設工事請負契約約款
- 建設工事下請基本契約書
- 注文書・注文請書(元請・下請間、基本契約あり)
- 注文書・注文請書(元請・下請間、基本契約なし)
- 建設工事下請契約約款
- 見積依頼書
- 工事完成通知書・引渡申出書
K社様のご希望を確認しながら、その内容にあった書式を作成いたしました。単純に契約書式を作成するのではなく、お客様の契約実態を把握し、修正すべき点を押さえながら、書式を作成することが大事だと考えています。
私がこのなかで一番ポイントとなる書式と考えているのは「個別契約フローチャート」です。これは契約時の流れを示した書面になるのですが、建設業法の注意点などが記載されており、これを参照しながら、契約手続きを進めていけば、建設業法違反を防ぐことができるというものです。
「建設業法令違反を防ぎたいけど、コンプライアンスマニュアルのようなものを作るのは大変だな」とお感じの方にはまず契約フローチャートを作成されることをオススメいたします。


行政書士法人名南経営(愛知県名古屋市)の所属行政書士。建設業許可担当。建設業者のコンプライアンス指導・支援業務を得意としており、建設業者の社内研修はもちろんのこと、建設業者の安全協力会や、各地の行政書士会からも依頼を受け、建設業法に関する研修を行っている。