建設業者に関係する建設業法等の法令に関する情報を紹介

  1. 国土交通省 通達
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【国土交通省 通達】国土建第272号「建設工事の技術者の専任等に係る取扱いについて(改正)」

今回は工事現場に配置する技術者に関する通達を取り上げます。配置技術者については、よくご質問やご相談を受ける内容でもありますので、本通達については全文確認いただくことをおすすめします。

1.配置技術者の原則ルール

まず、配置技術者に関する原則ルールを確認しておきましょう。原則を知らず、例外だけ把握しているというのは、建設業法違反に繋がるおそれがありますので、原則ルールはしっかりと覚えておく必要があります。

簡単にまとめると、配置技術者に関する原則ルールは以下のとおりです。
①請け負った工事には主任技術者を配置する
②請負金額が3,500万円以上(建築工事を除く)の場合、専任配置が必要
③直接的かつ恒常的な雇用関係が必要

③の雇用関係に関する例外は前回取り上げた「企業集団の確認」のケースです。
今回は②の専任配置に関する例外を取り上げます。

2.例外:密接な関係のある工事への配置

建設業法施行令第27条第2項において、同条第1項に規定する工事のうち密接な関係のある二以上の建設工事を同一の建設業者が同一の場所又は近接した場所において施工する場合は、同一の専任の主任技術者がこれらの建設工事を管理することができることとされています。

建設業法施行令第27条 (専任の主任技術者又は監理技術者を必要とする建設工事)
法第二十六条第三項の政令で定める重要な建設工事は、次の各号のいずれかに該当する建設工事で工事一件の請負代金の額が三千五百万円(当該建設工事が建築一式工事である場合にあつては、七千万円)以上のものとする。
一 国又は地方公共団体が注文者である施設又は工作物に関する建設工事
二 第十五条第一号及び第三号に掲げる施設又は工作物に関する建設工事
三 次に掲げる施設又は工作物に関する建設工事
イ 石油パイプライン事業法(昭和四十七年法律第百五号)第五条第二項第二号に規定する事業用施設
ロ 電気通信事業法(昭和五十九年法律第八十六号)第二条第五号に規定する電気通信事業者(同法第九条第一号に規定する電気通信回線設備を設置するものに限る。)が同条第四号に規定する電気通信事業の用に供する施設
ハ 放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第二条第二十三号に規定する基幹放送事業者又は同条第二十四号に規定する基幹放送局提供事業者が同条第一号に規定する放送の用に供する施設(鉄骨造又は鉄筋コンクリート造の塔その他これに類する施設に限る。)
ニ 学校
ホ 図書館、美術館、博物館又は展示場
ヘ 社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)第二条第一項に規定する社会福祉事業の用に供する施設
ト 病院又は診療所
チ 火葬場、と畜場又は廃棄物処理施設
リ 熱供給事業法(昭和四十七年法律第八十八号)第二条第四項に規定する熱供給施設
ヌ 集会場又は公会堂
ル 市場又は百貨店
ヲ 事務所
ワ ホテル又は旅館
カ 共同住宅、寄宿舎又は下宿
ヨ 公衆浴場
タ 興行場又はダンスホール
レ 神社、寺院又は教会
ソ 工場、ドック又は倉庫
ツ 展望塔

2 前項に規定する建設工事のうち密接な関係のある二以上の建設工事を同一の建設業者が同一の場所又は近接した場所において施工するものについては、同一の専任の主任技術者がこれらの建設工事を管理することができる。

具体的には、以下の条件の場合とされています。
・工事の対象となる工作物に一体性若しくは連続性が認められること又は施工にあたり相互に調整を要する工事で、かつ、工事現場の相互の間隔が10km程度の近接した場所において同一の建設業者が施工する
・施工にあたり相互に調整を要する工事について、資材の調達を一括で行う
・工事の相当の部分を同一の下請け業者で施工する

3.注意点

複数の工事を管理するケースはあくまでも例外的な取り扱いです。そのため、ルールが設けられていますので注意してください。
・主任技術者が管理することができる工事の数は、専任が必要な工事を含む場合、原則2件程度
専任配置が必要な監理技術者については、本件の取扱いはない(兼務不可)

 

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