建設業者に関係する建設業法等の法令に関する情報を紹介

  1. 建設業法令遵守ガイドライン
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【建設業法令遵守ガイドライン】見積条件の提示

令和2年10月の建設業法の改正に伴い「建設業法令遵守ガイドライン」も改訂されました。改訂された部分を中心に、建設業法令遵守のために注意すべき事項を見ていきます。

Case1.元請負人Aが曖昧な見積条件を示して、下請負人Xに見積りを行わせた。
Case2.元請負人Aが予定価格700万円の下請契約を下請負人Yと締結する際、Aは見積期間を3日としてYに見積りを行わせた。

Case1.の場合、元請負人Aは建設業法第20条第3項に違反するおそれがあります。(見積条件の提示状況に応じて変動があります。)一方、Case2.の場合、元請負人Aは建設業法第20条第3項に違反します。

建設工事の見積り等
第二十条 (第1項および第2項は省略)
3 建設工事の注文者は、請負契約の方法が随意契約による場合にあつては契約を締結するまでに、入札の方法により競争に付する場合にあつては入札を行うまでに、第十九条第一項第一号及び第三号から第十六号までに掲げる事項について、できる限り具体的な内容を提示し、かつ、当該提示から当該契約の締結又は入札までに、建設業者が当該建設工事の見積りをするために必要な政令で定める一定の期間を設けなければならない。

見積条件とは建設業法第19条第1項に規定された項目のうち、以下の15項目です。

・ 工事内容
・ 工事着手の時期及び工事完成の時期
・ 工事を施工しない日又は時間帯の定めをするときは、その内容
・ 請負代金の全部又は一部の前金払又は出来形部分に対する支払の定めをするときは、その支払の時期及び方法
・ 当事者の一方から設計変更又は工事着手の延期若しくは工事の全部若しくは一部の中止の申出があった場合における工期の変更、請負代金の額の変更又は損害の負担及びそれらの額の算定方法に関する定め
・ 天災その他不可抗力による工期の変更又は損害の負担及びその額の算定方法に関する定め
・ 価格等の変動若しくは変更に基づく請負代金の額又は工事内容の変更
・ 工事の施工により第三者が損害を受けた場合における賠償金の負担に関する定め
・ 注文者が工事に使用する資材を提供し、又は建設機械その他の機械を貸与するときは、その内容及び方法に関する定め
・ 注文者が工事の全部又は一部の完成を確認するための検査の時期及び方法並びに引渡しの時期
・ 工事完成後における請負代金の支払の時期及び方法
・ 工事の目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任又は当該責任の履行に関して講ずべき保証保険契約の締結その他の措置に関する定めをするときは、その内容
・ 各当事者の履行の遅滞その他債務の不履行の場合における遅延利息、違約金その他の損害金
・ 契約に関する紛争の解決方法
(・ その他国土交通省令で定める事項)

これらの事項は、下請契約の内容に関する事項です。元請負人はこれらの事項について具体的な内容を提示し、下請業者が適正な見積りができるようにしなければなりません。
またCase2.のように、見積期間を元請業者が短く設定することは禁止されています。(一方で、下請業者が自発的に、設定された見積期間を残して見積りを完成させることは建設業法に違反しません。)見積期間は工事の予定価格ごとに、下記の通り設定されています。

予定価格500万円未満         → 1日以上
予定価格500万円以上5,000万円未満  → 10日以上
予定価格5,000万円以上        → 15日以上

これらの見積期間は、「中」〇日と考えます。見積期間を1日短く設定指定してしまう間違いはよくあります。長い分には問題になりませんが、短く設定してしまうとそれだけで建設業法違反となるので、期間の設け方を間違えないようにしなければなりません。

Case3.元請負人Aが地下埋設物による土壌汚染があることを知りながら、下請負人Zにはその情報を提供しないで見積りを行わせた。

この場合、元請負人Aが建設業法第20条の2に違反します。

工期等に影響を及ぼす事象に関する情報の提供
第二十条の二 建設工事の注文者は、当該建設工事について、地盤の沈下その他の工期又は請負代金の額に影響を及ぼすものとして国土交通省令で定める事象が発生するおそれがあると認めるときは、請負契約を締結するまでに、建設業者に対して、その旨及び当該事象の状況の把握のため必要な情報を提供しなければならない。

この条文は建設業法改正によって新設された規定です。
そしてCase1.では見積条件を提示するときには具体的な内容を提示しなければならないことを説明しましたが、「具体的な内容」とは先に挙げた15項目だけではなく、工期等に影響を及ぼすような情報も含みます。
つまり、元請負人は下請工事に関して(1)地盤沈下や土壌汚染等の地中に起因する事象と、(2)騒音等の周辺環境への配慮が必要な事象が発生する恐れがあることを知っているときは、「請負契約締結までに」下請負人に対して情報を提供しなければなりません。情報提供を怠れば、建設業法違反となります。

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