建設業者に関係する建設業法等の法令に関する情報を紹介

  1. 用語解説
  2. 22408 view

建設工事請負契約約款とは

建設工事の請負契約は書面でしなければならないということをご存知の方は多いと思います。ただ、必要だとはわかっていても「どうやって作ればよいか分からない」「自分でテキトーに作った契約書を使っている」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?

弊社も経営事項審査の手続きなどでお客様が使用されている建設工事請負契約書を見せていただく機会があるのですが、内容が古かったり、建設業法で求められている記載事項が記載されていなかったりする請負契約書を見かけることがあります。請負契約書は、定期的に見直しをしていただきたいのですが、「修正が手間」「費用を掛けたくない」という理由で、見直しをしていない方には、国土交通省中央建設業審議会の「建設工事標準請負契約約款」のご活用をおすすめします。

建設工事標準請負契約約款とは

建設業法には、請負契約の適正化のための規定がありますが、実は、中央建設業審議会が当事者間の具体的な権利義務の内容を定める標準請負契約約款を作成し、その実施を当事者に勧告するという規定もあります。

(中央建設業審議会の設置等)
第三十四条 この法律、公共工事の前払金保証事業に関する法律及び入札契約適正化法によりその権限に属させられた事項を処理するため、国土交通省に、中央建設業審議会を設置する。
2 中央建設業審議会は、建設工事の標準請負契約約款、入札の参加者の資格に関する基準、予定価格を構成する材料費及び役務費以外の諸経費に関する基準並びに建設工事の工期に関する基準を作成し、並びにその実施を勧告することができる。

この規定に基づいて作成されているものが「建設工事標準請負契約約款」です。

建設工事の請負契約は、契約当事者間の合意によって成立するものですが、内容に不明確な点があると、紛争の原因となる恐れがあります。また、建設工事の請負契約は、元請・下請間の力関係が一方的であることで、契約条件が一方にだけ有利に定められてしまいやすいという片務性の問題が生じる恐れがあります。そのような紛争や片務性の問題のリスクを排除するために、中央建設業審議会が、当事者間の具体的な権利義務の内容を定めた建設工事標準請負契約約款を作成しています。

建設工事標準請負契約約款の様式

中央建設業審議会では、次の4つの標準請負契約約款を作成しています。

    1. 公共工事標準請負契約約款
    2. 民間建設工事標準請負契約約款(甲)
    3. 民間建設工事標準請負契約約款(乙)
    4. 建設工事標準下請契約約款

「公共工事請負契約約款」は公共工事用で、「建設工事標準下請契約約款」は下請工事用です。「民間建設工事標準請負契約約款(甲)」と「民間建設工事標準請負契約約款(乙)」はどちらも民間工事用ですが、(甲)は比較的大きな工事を発注する発注者用で、(乙)は個人受託建築等の民間小規模工事用となっています。

建設工事標準請負契約約款の様式は、国土交通省のホームページに掲載されています。以下、国土交通省のHP「建設工事標準請負契約約款について」(https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000092.html)より抜粋して掲載します。

公共工事標準請負契約約款 https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001470169.pdf
民間建設工事標準請負契約約款(甲) https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001331102.pdf
民間建設工事標準請負契約約款(乙) https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001331104.pdf
建設工事標準下請契約約款 https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001329293.pdf

中央建設業審議会の「建設工事標準請負契約約款」は、無料で手に入れることができますので、請負契約書の作成に手間もお金を掛けたくないという方におすすめです。

民間(七会)連合協定工事請負契約約款との違い

民間(七会)連合協定工事請負契約約款とは、一般社団法人全国建設業協会、一般社団法人日本建設業連合会、一般社団法人日本建築士会連合会など7つの団体によって構成される民間(七会)連合協定工事請負契約約款委員会で作成された約款です。こちらの約款を活用される方も多いと思います。

中央建設業審議会が作成している約款と異なり、民間(七会)連合協定工事請負契約約款は、無料で手に入れることはできません。基本的には委員会の構成7団体(日本建設業連合会を除く)の事務局、公共建築協会等で販売されています。

また、民間(七会)連合協定工事請負契約約款は、解説書が出版されているため、多少費用がかかっても、約款の使い方や条文の解釈について詳しく知った上で約款を活用したいという方にはおすすめです。

まとめ

中央建設業審議会の「建設工事標準請負契約約款」と民間(七会)連合協定工事請負契約約款委員会の「民間(七会)連合協定工事請負契約約款」についてご紹介しました。

いずれもそのまま活用できる請負契約書となっていますので、手間を掛けたくないという方はそのままお使いいただければよいと思います。また、内容をカスタマイズしたいという方は、約款をベースに加工していただくことで、手間を減らして、建設業法で求められている記載事項が記載された請負契約書を作成することができます。

是非ご活用をご検討ください。

 

    建設業者向けの最新情報を月に1回、セミナーのご案内を随時メールマガジンにて無料配信しています。またパンフレットやブログ記事を閲覧するためのパスワードもメルマガでご確認いただけます。配信をご希望の方はフォームにてお申込みください。
     

    個人情報保護方針はこちら

    This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

    用語解説の最近記事

    1. 営業所で行われる監査とは?建設業法をもとに解説

    2. 建設業のコンプライアンス

    3. 建設業法における書類の保存期間とは?

    4. 契約の内容に変更が生じた場合に変更契約は必要なのか?建設業法をもとに解説

    5. 建設業法における下請代金の支払期日とは?

    関連記事

    資料ダウンロード

       
      建設業を営むうえで、必ず守らなければならない建設業法。建設業法違反には、罰則や監督処分といった制裁があり、建設業の経営において多大な影響を与えるリスクがあります。
      そこで、本資料では、建設業法の遵守においてチェックしたいポイントを4つにまとめて解説しました。
      (※お申込み頂いたアドレス宛に、弊社メルマガをお送りいたします。)
       

      個人情報保護方針はこちら

      This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.